この記事の見どころ
★ ブーンバップの宣誓
To the hiddip the hop ya don't stop (Don't stop)
Das EFX with the real hip-hop (Hip-hop)
To the hiddip the hop ya don't quit (Don't quit)
Das EFX and we came to rip s*** (Rip s***)
ヒディップ・ザ・ホップ、止まるな(止まるな)
Das EFXが「本物のヒップホップ」を持ってきたぜ(ヒップホップ)
ヒディップ・ザ・ホップ、諦めるな(諦めるな)
Das EFX、俺たちはこの場をぶち壊しに来たんだ(ぶち壊す)
Well on your mark and get set, can't forget to go
In case you didn't know the flow is ラッパーのFat Joe(ファット・ジョー)に掛けた言葉遊び。「太い(ファット)=ヤバい、かっこいい」という意味。 (Like Joe)
Yo, you n***edy-know that I'm back, man
You're wack man, I eat a rapper like I'm アーケードゲームのパックマン。ラッパーを飲み込むように圧倒するという比喩。
位置について、用意、スタートを忘れちゃいけない
知らないかもしれないが、俺のフロウはFat Joeみたいにファット(ヤバい)だ
お前ら分かってるだろ、俺が戻ってきたってな
お前はダサい(ワック)、俺はパックマンみたいにラッパーを食い尽くす
I briggedy-bring it, straight from the cellar
Fo' realla, packin' more hits than 元MLBの強打者であり名監督であるルー・ピネラ。ヒット曲(ヒット)と野球のヒットを掛けた表現。
I swell a, n***a in his eye if he test me
You don't impress me, a-yo Books kick the rest, G
Uhh, one time for your mind...
地下室(アンダーグラウンド)から直接持ってきてやる
マジでな、ルー・ピネラよりも多くのヒットをかますぜ
俺を試すやつがいれば、そいつの目を腫らしてやる
お前のラップは響かない。おいBooks(Skoob)、続きを頼むぜ
お前の心に一発...
Ayo, what up? It's the crew bringing the ruckus, no doubt
We's the roughest dream team, Reign Supreme like a Cutlass
Getting ducats, the dough, you can't touch the flow
It's me, the n***a wit' G, the B double O K-S
Ayo, 調子はどうだ?間違いなく大騒ぎを起こすクルーだぜ
俺たちが一番ラフなドリームチーム、カトラス(アメ車)みたいに君臨する
金(ダカット、ドウ)を稼ぐ、お前らにはこのフロウに触れられない
俺のことだ、Gを持つ男、B-O-O-K-S(Books = Skoobの別名)
So say yes and bust your caliber
When I pop s*** and rock s*** like ヘヴィメタルバンドのメタリカ。ヒップホップにおける激しさや圧倒的なエネルギーの比喩として用いられる。
Stakes through the hearts of them snake fake n***as
Them all up in my face, jealous of my tape n***as
So honey shake your figures and show me whatcha got
(Blow the spot) Das EFX with the Real Hip-Hop
だからイエスと言え、お前の限界(キャリバー)を撃ち抜け
俺がメタリカみたいに激しくぶちかます時にな
蛇みたいなフェイク野郎どもの心臓に杭を打ち込む
俺のテープ(曲)に嫉妬して、俺の顔の前にしゃしゃり出てくる奴ら
だからハニー、体を揺らしてお前の魅力を見せてくれ
(この場を沸かすぜ)Das EFXが「リアル・ヒップホップ」を持ってきたぜ
Iggedy-okie-dokie
Next n***a to quote me
I hope he got more Miracles than モータウンを代表するソウル歌手スモーキー・ロビンソンとそのグループ「ザ・ミラクルズ」に掛けた表現。
Won't be no discussion, strictly head crushing
Lead rushin' through your body
You're in my コメディアンのロドニー・デンジャーフィールド。彼の持ちネタ「I don't get no respect(誰からもリスペクトされない)」と「Dangerfield(危険地帯)」を掛けた言葉遊び。
Howdy, I'll back up in that ass, G, kaplowie
And now we got the game to a Tee like TVゲームショウ司会者のハウィー・マンデルへの言及。「to a Tee(完璧に)」と「Howie(人名)」を組み合わせた音の遊び。
Allow me, to introduce myself and my peeps
Straight from the sewer, stayin' true to the streets
オキドキ(了解)だ
次に俺のスタイルをパクる(引用する)奴は
スモーキー(・ロビンソン)よりも多くの「奇跡(ミラクルズ)」を持ってることを願うぜ
話し合いの余地はない、完全に頭をかち割るだけだ
弾丸(鉛)がお前の体を貫く
お前はロドニーのように俺の「デンジャーフィールド(危険地帯)」にいるんだ
ハウディ(やあ)、Gよ、お前のケツに踏み込んでやる、ぶち飛ばすぞ
そして俺たちはゲームを完璧に(ハウィーのように)制している
俺と俺の仲間たちを紹介させてくれ
下水道(アンダーグラウンド)直送、ストリートに忠実でいる
Well, it's me, Krazy Drayz, bringin' up the rear
I swear, we got to Hold It Down e'ry year
So there, let me crack a beer and kick my feet up
Turn the heat up and smiggedy-smoke all the weed up
Kids I eat up, wit' a style that's the newest
My crew is, getting more run than オリンピック金メダリストの陸上選手カール・ルイス。「run」には「走る」と「(曲が)再生される・注目される」の二重の意味がある。
It's from the 下水道(Sewer)。洗練されたメインストリームに対する、泥臭くリアルなアンダーグラウンドの象徴としての表現。 now ya see me on the top
So stop and recognize the n***as on ya block
そうだ、俺はクレイジー・ドレイズ、しんがりを務める
誓って言うが、毎年「Hold It Down(守り切る)」しなきゃならない
だからビールを開けて、足を伸ばしてくつろがせてくれ
ヒートアップして、全部のウィードをスモーク(吸い)尽くす
ガキどもを食い尽くす、最新のスタイルでな
俺のクルーはカール・ルイスよりも「走ってる(注目されてる)」ぜ
「下水道(アンダーグラウンド)」から這い上がり、今や俺はトップにいる
だから立ち止まって、お前のブロック(地元)にいる奴らを認識しろ
Ayo, MC's is irrelevant, and delicate to the texture
But this style of mine is well defined like 1983〜1989年放映の人気TV番組「Webster」の主人公。または「ウェブスター辞書」(Webster's Dictionary)。「well defined like Webster」は辞書のように明確に定義されているという意味。
Ain't a badder n***a raw from the jaw than the Das EFXがラップする際の高速で畳み掛けるような口の動き・フロウスタイルそのものを指す自称。意味不明な早口というよりも、巧みな言葉の連射を意味する。
When I get Stone like 1993年のエロティック・スリラー映画「Sliver(スライヴァー)」でシャロン・ストーンが演じた役名。または「Stone(石のように固い・高い)」とシャロン・ストーンの名を組み合わせた言葉遊び。
Equipped to riggedy-rip the microphone to shreds
Dread, yo come and hit these n***as in the head
Ayo、MCなんて取るに足らない、繊細でテクスチャーに過ぎない
だが俺のこのスタイルはウェブスターのようにはっきりと定義されている
ジャバー・ジバー(俺の高速フロウ)よりも生(ロウ)でヤバい奴なんていない
シャロン・ストーンの「スライヴァー」みたいにストーン(ハイに)なる時
マイクをずたずたに引き裂く準備は万端だ
ドレッド(兄弟)よ、来てこいつらの頭をぶっ叩け
Well I connect my rhymes like Lego, so l'eggo my 米国の有名なワッフルブランド。「Let go my Eggo(俺のエゴを放せ)」というCMフレーズと「Lego(つなぎ合わせる)」を組み合わせた言葉遊び。
I burn ya like 1993年にテキサス州ウェイコで発生したATF・FBIとダビデ教団の衝突事件。建物が炎上し多数の死者を出した。「燃やす(burn)」という言葉と組み合わせてラキバルを壊滅させる比喩。 , you need more than 米国の大手カーペイントチェーン。車の塗装(修理)が必要なほど傷つけてやるという意味。
I take it to ya crew and keep 'em moving like I'm U-Haul
I'm here to school y'all like ドラァグクイーンの帝王RuPaul。「figgedy-faggots(ゲイへの侮蔑語の変形)」と組み合わせてライバルMCを feminize(女性化)して見下す1990年代特有の表現。現代では使われない差別的用語。
I throw a screwball and strike out the MC
And if he temps me, I knock em out like 1920年代の世界ヘビー級チャンピオン。強烈なノックアウトパンチで知られる伝説のボクサー。
I burn some sensi and chase it wit' a Guinness
The illest, now hit me with the hook because I'm finished
俺はレゴのようにライムをつなぎ合わせる、だから俺のエゴ(Eggo)を放せ
ウェイコのように燃やしてやる、お前にはマーコ(塗装修理)以上のものが必要だ
俺はお前のクルーに乗り込んで、U-ホールのように動かし続ける
RuPaulみたいにお前ら全員をスクールしてやりに来た
俺はスクリューボールを投げてMCを三振にしてやる
そいつが俺を誘惑しようとしたら、ジャック・デンプシーのようにノックアウトする
センシ(マリファナ)を吸って、ギネスで流し込む
最も病的(イレスト)な俺、もう終わった——フックを頼む
制作の背景
1995年当時、ヒップホップはR&Bのフックやきらびやかなシンセサイザーを多用した商業的アプローチ(シャイニー・スーツ・エラ)がメインストリームを席巻しつつあった。そうした中でDas EFXは、タイトルに「Real Hip-Hop」と冠することで、自らがサンプリングとブレイクビーツの伝統を守護する存在であるという明確なスタンスを表明した。これは過度なポップ化に対する強烈なアンチテーゼであった。
サウンドの核心
本作のオリジナル版は、東海岸の絶対的プロデューサーである DJ Premier が手掛け、Norman Connorsのサンプリングを用いた極めてミニマルで硬質なビートとなっている。さらに、シングル盤には同じく東海岸の巨頭である Pete Rock によるソウルフルなリミックス版も収録された。1990年代を代表する二大プロデューサーが一つのシングルに集結したこの作品は、ヒップホップ・プロダクション史における奇跡的な交差点として現在も高く評価されている。
スタイルの変遷
Das EFXはデビュー時に「Iggedy(イギディ)」という語尾に無意味なシラブルを挿入する革新的なファスト・ラップで一世を風靡した。しかし、そのスタイルがあまりにも業界内で盗用(Biting)され、消費し尽くされてしまったため、本作が収録されたアルバム『Hold It Down』ではそのスタイルを意図的に封印した。「Real Hip-Hop」は、ギミックに頼らずとも純粋なリリシズムとライミングで勝負できる、真正のラッパーとしての彼らの成熟を示す重要なターニングポイントとなった。
後世への影響
Das EFX
Brooklyn, New York / Teaneck, New Jersey · 1988–
SkoobとKrazy Drayzによるラップデュオ。1990年代初頭の「iggedy」スタイルのファスト・ラップで一世を風靡し、イーストコースト・ヒップホップに多大な影響を与えた。