Slang Dictionary
vibe
ヴァイブ
まず結論
vibe は、場所や人が放っている雰囲気、肌で感じるノリを指す名詞です。vibration(振動)の略で、読み方は「ヴァイブ」です。
動詞の vibe with は「〜と波長が合う、気が合う」、feel the vibe は「空気を感じ取る」と、人間関係や音楽の相性を表すときに頻繁に使われます。
good vibes(いい雰囲気)、bad vibes(嫌な空気)のように、複数形でも使われます。日本語の「ノリ」「空気」に近い便利な言葉です。
言葉にしにくい空気感
vibe は、はっきり説明できないけれど感じ取れる雰囲気を指します。店に入った瞬間の居心地、曲を聴いた瞬間の気分、といった感覚を一語で伝えられます。
理由を挙げずに「いい vibe だ」と言えるので、会話の中で使いやすい言葉です。
動詞の vibe with
vibe with は、人や音楽と「波長が合う」ことです。I vibe with him と言えば、彼とは気が合う、という意味になります。
否定形の don't vibe with me no more は、「もう俺とは合わない」と関係を切る言い方で、恋愛や友情の終わりを表します。
音楽の評価にも使う
曲やアルバムの雰囲気を褒めるときも vibe が使われます。技術や歌詞の良し悪しとは別に、聴いたときの空気感が好きだ、という評価の仕方です。
vibe check(空気を確かめる)という言い回しもあり、場の雰囲気や相手の様子をうかがう意味で使われます。
世代を超えて使われる語
vibe は1960年代のカウンターカルチャーで使われた語で、現代のSNS世代にも通じる珍しい言葉です。ヒップホップでは1990年代から日常語として定着しました。
雑誌の名前にもなるほど一般化しており、特定の世代だけが使う古さや新しさはあまり感じられません。
語源と背景
vibe は vibration(振動)の略で、1960年代のアメリカで、直感的に感じ取る雰囲気を指す語として広まりました。当時の若者文化や音楽の世界で使われたとされています。
ビーチ・ボーイズの「Good Vibrations」(1966年)の曲名が象徴するように、感じ取る波動というニュアンスが、音楽と結びついて定着しました。
ヒップホップでは、1990年代から vibe が日常語となり、現在は音楽の評価、人間関係、場の空気のいずれにも使われています。
例文
例文は意味と使い方を示すための解説用の作例で、実際の歌詞の引用ではありません。歌詞の引用は「曲での使われ方」に載せています。
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1.This place has a good vibe.
この店、いい雰囲気だな。
vibe の最も基本の使い方です。場所の居心地を、理由抜きで伝える言い方です。
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2.I vibe with that song.
あの曲、俺の感覚に合う。
動詞の vibe with です。技術の評価ではなく、相性の良さを言う表現です。
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3.You don't vibe with me no more.
もう俺とは波長が合わなくなったな。
関係が冷めたことを指す言い方です。否定形にすると、距離を置く含みが出ます。
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4.I'm getting bad vibes from him.
あいつからは嫌な感じがする。
bad vibes で、理由は分からないが警戒したくなる感覚を表します。
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5.Let's vibe tonight.
今夜はのんびりやろう。
vibe が「くつろぐ、楽しく過ごす」という動詞として使われる例です。
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6.Vibe check!
空気はどう?
場の雰囲気や相手の調子を確かめる、近年の口語です。冗談めかした使い方もあります。
この曲ではこう使われていた
解析に使ったヒップホップ約440曲の歌詞のうち、vibe を含む曲は26曲で、16人中11人のラッパーに出てきました。Kendrick Lamar や J. Cole の曲に特に多く出てきます。出現数の多い順に並べると、内訳はKendrick Lamar 7曲、J. Cole 4曲、GZA 3曲、Travis Scott 3曲、Atmosphere 2曲です。
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Kendrick Lamar 「Loyalty」
"you don't vibe with me no more"
もう自分とは気が合わない、と関係の変化を指摘する一行です。vibe with が人との相性を表す動詞として使われています。
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Kendrick Lamar 「Swimming Pools (Drank)」
"I think that I'm feelin' the vibe"
その場の空気を感じ取っている、という意味です。feel the vibe で、雰囲気に身を任せる感覚を表します。
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Black Thought 「State Prisoner」
"Trust the vibe"
理屈ではなく、感じ取った雰囲気を信じろ、という呼びかけです。直感を重んじる姿勢が、短い言葉に出ています。
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Ghostface Killah 「Child's Play」
"come and vibe with me"
一緒にノリを楽しもう、という誘いです。vibe with が相性だけでなく、一緒に過ごす意味でも使われる例です。
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J. Cole 「She Knows」
"Dancehall vibe"
ダンスホール調の空気感を指します。vibe が音楽のジャンルや雰囲気を表す名詞として使われています。
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GZA 「Alphabets」
"a live vibe that'll hypnotize"
観客を催眠にかけるような、生き生きしたノリを描いています。live は「ライブの、生き生きした」の意味です。
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Atmosphere 「Sunshine」
"watchin the vibe"
場の空気を眺めている、と観察する立場から語っています。vibe が見て取るものとして使われています。
似た表現との違い
- mood気分、ムード
- 気分や場の雰囲気を指す一般的な語です。vibe は、相性や直感といった個人的な感覚を含む点で、より柔らかい言葉です。
- atmosphere雰囲気
- 客観的に説明できる場の雰囲気を指すやや硬い語です。vibe は主観的な感覚で、会話向きです。
- feel感じ
- 感触を指す語です。vibe は、その感触が相性や好みに結びつくときによく選ばれます。
- flow流れ
- ラップでは言葉の運びを指す専門語です。vibe は曲全体の空気を指すので、見るところが違います。
使うときの注意
- vibe は具体的な説明を避ける言葉なので、「どんな雰囲気か」を問われても答えにくいことがあります。曖昧さそのものが、この語の持ち味です。
- 動詞の vibe with は「好きだ」より弱い共感です。恋愛の好意とは限らず、音楽や考え方の相性にも使えます。
- vibe は名詞では数えられる場合と数えられない場合があり、a good vibe と good vibes のどちらも自然に使われます。
- ビジネスや丁寧な場面では、vibe は砕けすぎた印象になることがあります。atmosphere や impression のほうが無難です。
- vibe check は冗談めかした言い方で、真面目な状況確認とは違う軽いノリがあります。使う相手を選ぶ口語です。
よくある質問
- vibe と vibes は違いますか。
- 意味はほぼ同じですが、vibes の複数形は「いろいろな空気感」というやわらかい響きがあります。good vibes のように定型句でよく使われます。
- vibe with は恋愛にも使えますか。
- 使えますが、恋愛に限らず友人関係や音楽の相性にも広く使います。好意を断定しないので、少し控えめな表現になります。
- vibe はいつ頃から使われている語ですか。
- 1960年代のアメリカで、vibration の略として広まったとされています。以後、音楽やカウンターカルチャーを通じて定着しました。
- 日本語に訳すとどうなりますか。
- 「雰囲気」「ノリ」「空気感」などで訳せます。動詞の vibe with は「波長が合う」「気が合う」が近い訳です。