Slang Dictionary
bread
ブレッド
まず結論
bread は食べ物のパンですが、スラングでは「お金」を指します。生活を支える食べ物と、生活を支える金を重ねた言い方です。
break bread は直訳で「パンを割る」ですが、実際は「食事を共にする」「和解して親しくなる」という意味の慣用句です。
bread and butter は「生活の糧、本業」の意味で、仕事や収入の基盤を指すときに使われます。これも bread の仲間の表現です。
金としての bread
bread は「お金」を指すスラングで、dough や cheddar と並ぶ金のスラングの代表です。パンが生活の基本であるように、金も生活の基本であるという感覚から来ています。
get that bread は「稼ぐ」、secure the bread は「収入を確保する」という言い方です。
break bread の意味
break bread は文字通りにはパンを割ることですが、実際は「一緒に食事をする」ことを指します。聖書の場面にも出てくる、古くからある慣用句です。
ラップでは、敵対していた相手と席を共にして和解する、あるいは仲間を集めて食事をするという意味で使われます。
bread and butter
bread and butter は、パンとバターが日常の食事の基本であることから、「生活を支える仕事、収入の柱」を意味します。my bread and butter と言えば「俺の本業」です。
副業や趣味に対して、生活の基盤になる稼ぎを指すので、side hustle との対比でも使えます。
食べ物としての bread との見分け
歌詞の中の bread が金なのか、本当のパンなのかは、前後の動詞で見分けます。earn や get が付けば金、eat や throw to pigeons なら食べ物です。
ラッパーはこの二重の意味を使って言葉遊びをすることもあり、どちらとも取れる行が出てきます。
語源と背景
bread を金の意味で使う言い方は、1940年代のアメリカで記録された用法とされます。元になったのは、18世紀前半からある「生計、暮らしの糧」という bread の意味だと考えられています。
break bread は聖書に由来する表現で、キリスト教の場面で「食事を共にすること」を象徴してきました。英語圏では宗教と関係なく、一般的な慣用句として使われます。
bread and butter は19世紀から使われる英語で、日常の糧を象徴する言い回しです。ヒップホップだけの語ではなく、ビジネスでも普通に使われます。
例文
例文は意味と使い方を示すための解説用の作例で、実際の歌詞の引用ではありません。歌詞の引用は「曲での使われ方」に載せています。
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1.I'm out here getting that bread.
俺は外で稼いでる。
get that bread は稼ぐという定番の言い方です。日常的な頑張りを表します。
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2.Let's break bread and talk it out.
食事でもしながら話し合おう。
break bread で、食卓を囲んで関係を整えようという呼びかけです。和解の場面でよく使われます。
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3.Teaching is my bread and butter.
教えることが俺の本業だ。
生活を支える仕事を指す定型です。副業との対比にも使えます。
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4.He's all about the bread.
あいつは金のことしか頭にない。
金への関心が強い人を指します。褒めるときも皮肉るときも使えます。
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5.Throwing bread to the pigeons.
鳩にパンを投げている。
本当のパンの例です。スラングではなく、普通の食べ物として出てきます。
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6.We need to secure the bread first.
まず収入を確保しないと。
secure で、金を確実に手に入れる意味を足しています。計画を語る場面の言い方です。
この曲ではこう使われていた
解析に使ったヒップホップ約440曲の歌詞のうち、bread を含む曲は22曲で、16人中11人のラッパーに出てきました。Ghostface Killah や MF DOOM の曲に特に多く出てきます。出現数の多い順に並べると、内訳はGhostface Killah 4曲、MF DOOM 3曲、Black Thought 2曲、Cardi B 2曲、GZA 2曲です。
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Ghostface Killah 「Apollo Kids」
"Everybody break bread, huddle around"
みんなで集まって食事を分け合う場面です。仲間との結びつきを、break bread という言い方で描いています。
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Nas 「Ether」
"glad to break bread with the God"
相手に笑顔で近づく裏の顔を、break bread の表向きの友好で皮肉っています。食事を共にする親しさが、偽りとして使われています。
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MF DOOM 「Go with the Flow」
"Who break bread with stingy kin-men"
ケチな身内と食事を共にするのか、と皮肉を込めた問いかけです。break bread が関係の近さを測る物差しとして出ています。
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Ghostface Killah 「260」
"aliens is snatching our bread"
宇宙人に生活の糧を奪われている、という大げさな冗談です。bread が収入や取り分の意味で使われています。
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Aesop Rock 「The Gates」
"I get tired of bread"
パンに飽きた、という文字通りの意味にも、金に飽きたとも取れる行です。二重の意味を意識して読むと面白い一節です。
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GZA 「Investigative Reports」
"Throwin' bread to pigeons"
食べ物としてのパンの例です。鳩に餌を投げる情景を描いており、金の意味と区別する材料になります。
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MF DOOM 「Beef Rapp」
"Bread and butter?"
スープが欲しいと言った後に添えられる合いの手です。食べ物としての意味と、bread and butter の慣用句の両方が浮かぶ言葉遊びです。
似た表現との違い
- dough金
- bread と同じくパン生地から来た金のスラングです。意味はほぼ同じで、どちらも食べ物の比喩から来ています。
- cheddar金
- チーズの種類から来た金のスラングです。bread より少し新しい口語で、使う世代が違います。
- paper札束、金
- 紙幣の見た目から来た言い方です。bread が生活の糧のイメージなのに対し、paper は札そのものを指します。
- cake金
- ケーキから来た金のスラングで、豊かさや贅沢の響きがあります。bread は生活の基盤、cake はぜいたくという違いがあります。
使うときの注意
- bread を単にパンと読むと、金の意味の行を取りこぼします。前後に稼ぐ・使うなどの動詞があれば、金を疑ってみる必要があります。
- break bread は「パンを割る」ではなく「食事を共にする」です。歌詞の中でも、和解や親しさの象徴として使われます。
- bread and butter は、パンとバターの組み合わせを指す文字通りの意味もあり、慣用句なのか食べ物なのかは文脈で判断します。
- bread を金の意味で使うのは主にアメリカ英語で、イギリスでは世代によって通じにくいことがあります。
- 金のスラングは dough、cheddar、cake、paper など多数あり、使い分けには世代や地域の差があります。
よくある質問
- なぜ bread が金を意味するのですか。
- パンが生活の基本の食べ物であり、金も生活の基本であるという連想からです。辞書では、「暮らしの糧」の意味から1940年代に金の意味が生まれたと説明されています。
- break bread は宗教的な言葉ですか。
- 聖書に由来する表現ですが、今は宗教と関係なく「食事を共にして親しくなる」という慣用句として一般に使われます。
- bread と dough は同じ意味ですか。
- どちらも金を指すスラングで、ほぼ同じ意味です。どちらもパンに関連した語で、同じ発想から生まれた言い方です。
- bread and butter はスラングですか。
- いいえ、一般的な英語の慣用句です。ビジネスの場でも「我が社の主力事業」の意味で使われます。