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Slang Dictionary

kicks

キックス

まず結論

kicks は靴、とくにスニーカーを指す口語です。new kicks で「新しいスニーカー」になります。

靴は左右一組なので、ほぼ必ず複数形の kicks で使います。a pair of kicks とも言います。

ただし for kicks(面白半分で)や、ドラムのキック、格闘技の蹴りなど、歌詞にはスニーカー以外の kicks もかなり混ざります。

kicks はスニーカーへの愛着の言葉

shoes や sneakers でも意味は通じますが、kicks と言うと、ただの履き物ではなく自分のスタイルの一部としての靴、という響きになります。

fresh kicks、clean kicks は「おろしたてのきれいなスニーカー」で、汚れひとつない状態を保つこと自体が、持ち主のこだわりとして自慢のタネになります。靴の手入れまで含めて kicks の話です。

スニーカーとヒップホップ

ヒップホップでは、スニーカーは服装の中でも特に目立つ持ち物として歌われてきました。1986年の Run-DMC の My Adidas は、スニーカーそのものを題材にした曲としてよく知られています。

限定モデルを手に入れたり、何足も買い集めたりすることは、成功やこだわりの見せ方として歌詞に繰り返し出てきます。

Complex は、ふさわしい kicks を履くことがステータスの証になり、アーティストの分身にもなったと書いています。同じ記事は、adidas が Run-DMC と結んだ契約を、ヒップホップのアーティストとして初めての契約として紹介しています。

スニーカー以外の kicks

for kicks、just for kicks は「面白半分で、ただのスリルで」です。Wiktionary は kick を「楽しみ、スリル」と説明していて、その複数形を使った決まり文句です。

音楽の話では kick がバスドラムを指し、the kick kicks in は「キックが入ってくる」です。格闘技の蹴りの kicks も、歌詞では普通に出てきます。

語源と背景

kick はもともと「蹴る」という動詞で、名詞としては「蹴り」です。足で使う動作の語なので、靴を指すようになったのは自然な連想と考えられます。

Wiktionary は kick に「靴」という口語の語義を載せていて、kicks の項目でも「靴」と説明しています。

ただし、靴を kicks と呼ぶ用法がいつ、どこで生まれたかを示す資料は見つからなかったので、年代は書きません。

for kicks の kick は「蹴り」ではなく「刺激、スリル」から来た別の流れで、靴の kicks とは由来が違います。

例文

例文は意味と使い方を示すための解説用の作例で、実際の歌詞の引用ではありません。歌詞の引用は「曲での使われ方」に載せています。

  1. 1.Check out my new kicks.

    新しいスニーカー見てよ。

    買ったばかりの靴を見せるときの定番。my new kicks で自慢の気持ちが出ます。

  2. 2.Don't step on my kicks, they're brand new.

    踏むなよ、おろしたてなんだから。

    新品のスニーカーを汚されたくない気持ちは、多くの人に通じる感覚です。

  3. 3.He's got like fifty pairs of kicks.

    あいつ、スニーカーを50足くらい持ってる。

    pairs of kicks で足数を数えます。コレクターの話でよく出る言い方です。

  4. 4.We did it just for kicks.

    ただ面白半分でやった。

    こちらは靴ではなく「スリル、楽しみ」。理由を聞かれて、深い意味はないと答える言い方です。

  5. 5.Those kicks go with everything.

    そのスニーカー、何にでも合うね。

    go with は「合う」。服との組み合わせをほめる言い方です。

  6. 6.Turn up the kick a little.

    キックをもう少し上げて。

    音楽制作ではバスドラムの音を kick と呼びます。単数なら音の話、複数の kicks ならスニーカーの話であることが多いです。

この曲ではこう使われていた

解析に使ったヒップホップ約440曲の歌詞のうち、kicks を含む曲は19曲で、16人中10人のラッパーに出てきました。Nas や Ghostface Killah の曲に特に多く出てきます。出現数の多い順に並べると、内訳はNas 4曲、Ghostface Killah 3曲、Aesop Rock 2曲、Atmosphere 2曲、Kool Keith 2曲です。

似た表現との違い

Timbsティンバーランドのブーツ
Timbs はブランドを特定した呼び方。kicks は靴、とくにスニーカー全般を指します。
fresh新しくてイケてる
fresh kicks で「おろしたての、キマったスニーカー」。kicks と組み合わさる定番の形容詞です。
fly見た目がキマっている
fly は着こなし全体をほめる語。kicks はそのうちの足元を指す名詞です。
sneakersスニーカー
sneakers は一般的な呼び方。kicks のほうが口語的で、愛着や自慢がにじみます。

使うときの注意

よくある質問

kicks は単数でも使えますか。
靴の意味ではほぼ複数形です。片方だけを言うなら one of my kicks のような言い方になります。
kicks はスニーカー以外の靴にも使えますか。
使えますが、多くの場合はスニーカーを思い浮かべる語です。革靴やブーツには、それぞれの呼び方が使われることが多いです。
get one's kicks はどういう意味ですか。
「楽しみを得る、スリルを味わう」です。靴の kicks とは別の、スリルの kick から来た言い方です。

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