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That's When Ya Lost 和訳・意味・スラング解説 | Souls of Mischief

アーティスト
Souls of Mischief
リリース年
1993
プロデューサー
A-Plus
収録アルバム
93 'til Infinity
エリア
Oakland
BPM
86
サンプル元
Ronnie Foster "Mystic Brew" (1972) / James Gang "The Highway Song" (1970)

この記事の見どころ

  1. 01 Ronnie Foster「Mystic Brew」(1972)のベースライン——ATCQの「Electric Relaxation」と同じ素材を、Bay Area流に昇華した禁断のサンプリング
  2. 02 HieroglyphicsクルーのCasual、Domino、Snupe、A-Plus、Tajai、Opio、Phestoら全員をコーラスで「step to したら負け」と宣言——クルー全体の強さを一曲で証明
  3. 03 Pep Loveのコーラスが機関銃のように質問→「That's when ya lost!」と返す構造——バトルラップとアンセムを融合させた革新的フォーマット
解説

■この曲の意味(要約)

「That's When Ya Lost(それがお前が負けた瞬間)」は、Hieroglyphicsクルーのメンバー全員に挑んだ瞬間にお前の敗北が決まると宣言するバトルラップ・アンセムだ。Tajai、Phesto、A-Plus、Opioの4人が、大工道具・解剖・建設の比喩を駆使しながら対戦相手のMCを徹底的に解体する。Pep Loveが「○○にステップしたら?」と問いかけ、「That's when ya lost!」と返す機関銃コーラスが楽曲全体を貫く。Ronnie Fosterのジャジーなグルーヴの上で、4人の知的なライミングが弾ける93年オークランド産のクラシック。

■概要

デビューアルバム『93 'til Infinity』(1993年)収録。シングル「That's When Ya Lost / Disseshowedo」としてもリリース。プロデューサーはA-Plus。Ronnie Foster「Mystic Brew」(1972)のベースラインとメロディをメインに、James Gang「The Highway Song」(1970)、The Dynamic Superiors「The Lost Child」(1974)、Kool & the Gang「N.T.」(1971)を組み合わせたメロウなビート構成。コーラスではPep Love(Hieroglyphicsクルー)が全メンバー名を挙げながら、誰に挑んでもお前が負けると断言する。約86BPM。

■主なスラング・キーワード

ダメ、イケていない、クオリティが低い。相手のMCスキルやスタイルを否定する際の基本語。反義語はdope。 リスペクト、評判、賞賛。Proper Respectの略。本物のスキルを持つ者への評価。 見せびらかす、派手にふるまう。高価な物や成功を誇示する行為。 家、住まい、アパート。自分の居住空間を指すくだけた表現。 ディスリスペクト(disrespect)の略。相手を批判・侮辱する言動全般。 「〜に挑む、〜に向かっていく」。バトルを仕掛ける文脈で使われる。

Intro

Haha!
Yo, man, crews be lost, man
No sense of direction

ハハッ!
よ、クルーたちは迷子だ
方向感覚ゼロ

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楽曲の宣言文。「crews be lost」は対戦相手のグループが何の指針もなく彷徨っているという侮辱。冒頭の笑い声がこれから始まる虐殺への余裕を示す。

(Fools don't even know)
Please don't sleep
(So much loss, so much losers)

(バカどもは何もわかってない)
油断するなよ
(負けばかり、負け犬ばかり)

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「don't sleep」は「舐めるな、軽く見るな」——HHでの定番の警告。括弧内はコーラスによるコール・アンド・レスポンス形式。

So much losers (Wack!)
Yo, that's when you lost
(That's when you lost)

負け犬だらけ(ウワック!)
よ、それがお前が負けた瞬間だ
(それがお前が負けた瞬間)

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曲のタイトルフレーズが早くも登場。「wack」の一言が状況を全て説明する——対戦相手はスタート前から負けている。

Verse 1 — Tajai

Yo! I find it fun to smash MCs into fine bits
I'm goin' to get my just deserts for all the kids I must've hurt

よ!MCたちを細かく粉砕するのが楽しい
傷つけてきたやつら全員への「報い」を受け取りに行く

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「smash into fine bits」は対戦相手を粉砕する暴力的な比喩。「just deserts」は「当然の報い、deserve(値する)」の名詞形——自分の活躍への賞賛を「受け取る権利がある」という自信の表れ。

(Maybe) I trust that courtesy when dealin' with folks is too much for the askin'
Cool, I got the skill crafted tools

(多分)人と付き合うとき礼儀を期待するのは求めすぎかな
でも俺は職人技のツール(スキル)を持ってる

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「courtesy is too much for the askin'」——相手が礼儀を持っていることを期待するのはムダという皮肉。「skill crafted tools」は工具の比喩——ラップスキルを職人の道具として表現するTajaiの知的なイメージの使い方。

Massive fools at my work bench and
I'm wrenchin' mics from they grasp and that's how it has been!

大量の馬鹿どもが俺の作業台に並んでいる
奴らの手からマイクをもぎ取る——ずっとそうだった!

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「work bench」は大工の作業台——Tajaiがラップバトルをまるで職人作業のように描く比喩が全体を貫く。「wrenchin' mics from they grasp」はスパナで締め付けるようにマイクを奪い取るイメージ。

The drill's this — I kill swift
I feels I better slay or, hey, my tape measure's greater

ドリルはこれだ——俺は素早くキルする
スレイした方がいいと思う、それとも俺の巻き尺の方がデカいか?

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「The drill's this」は「これが手順だ」(drillは手続き・訓練)と電動ドリルを同時に指す。「tape measure's greater」は「俺の方がデカい(格が上)」を巻き尺(tape measure)で計量する冗談めかした比喩。

So now I'm askin' dips if they saw me, and they was available
Would they want me to nail 'em all?

だから女たちに聞いてる、俺を見て、時間があるなら
俺に全員を「ネイル」してほしいか?

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「dips」は女性のスラング。「nail 'em」は「釘を打つ」(大工の比喩)と同時に性的な意味を持つダブルミーニング——Tajaiの工具比喩をラッパーとしての魅力に重ねる巧みな言葉遊び。

Be through, screw, drive her crazy, maybe; nut and bolt, lively
Put on your high beams!

やり遂げる、ネジを締める、彼女を夢中にさせる、多分ね;ナットとボルト、生き生きと
ハイビームをつけろ!

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「screw」「drive」「nut and bolt」——工具の語彙をセクシャルな比喩に徹底活用したTajaiのお得意のスタイル。「put on your high beams」はハイビームで明るく照らせ=ちゃんと見ろという意味と、「high beams」のスラング的ダブルミーニング。

Verse 2 — Phesto

I proliferate a quicker fate to n***as, vigorous
Figure I kick stunts, I punch twice that n***a that's dissin' at me (Uh-huh)

力強く、やつらに素早い運命を広める
俺に仕掛けるやつは、俺がスタントを蹴って2倍パンチを食らわせると思え(アー)

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「proliferate a quicker fate」——「より早い死/敗北を広める」という哲学的とも取れるバトルライン。「kick stunts」は圧倒的なムーブを見せる。Phesoの語彙は全体的に重厚で、「vigorous」「proliferate」など高レベルの英単語を使う。

Attach 'em to bats, latchin' and matchin' my cataclysm
I give 'em a schism, I stroke to croak 'em, I broke 'em

バットに括りつける、俺の大惨事にくっついてこい
分裂を与え、倒れるまで打ち続け、砕いた

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「cataclysm(大惨事)」「schism(分裂・亀裂)」——ヒップホップでは珍しい難語の連発がPhestoの特徴。「stroke to croak 'em」はストロークで鳴き声(croak)を出させる=殺すの婉曲表現。

Chokin' up on my syntax, as I bend backs by im-impacts
Then I give a concussion in your nuts when I'm bustin'

俺のシンタックス(語法)で窒息させる、インパクトで背骨を曲げながら
爆裂するとき、お前のタマに脳震盪を与える

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「chokin' up on my syntax」——ラップのシンタックス(文法・構文)が武器になるという知的な比喩。「im-impacts」のように単語を途中で区切るフロウの技術がそのまま歌詞に現れている。

Heads, dead with my lead graff, I cloth thee
I swing off-beat, off the cerebellum, swellin' membranes

頭どもよ、俺のリードグラフで死ね、お前を服で包んでやる
オフビートで振る、小脳の外から、膜を膨らませながら

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「lead graff」はグラフィティのリードライン(主線)を武器に転用。「off the cerebellum」は小脳(バランスを司る脳部位)から外れたオフビートのスウィング——脳科学用語をフロウに組み込む異様な知性。

Ten brains couldn't parallel this
I'm carouselin' kids while they wallow and swallow hollow tips

10人分の脳でも俺には追いつけない
奴らが溺れてホローポイント弾を飲み込む間、俺は子どもたちをメリーゴーランドに乗せる

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「parallel this」はこれと並列に走る(匹敵する)。「carouselin'」はメリーゴーランドのように回転させる——対戦相手を翻弄するイメージ。「hollow tips」は空洞弾頭(ダムダム弾)——バトルラップでの比喩的な「致死の一撃」。

Yep, you follow and slippin', I'm rippin' mics nice twice
Like dicin' kids in fractions, yo, figure, I tax men

そう、お前はついてこようとして滑る、俺は2倍速でマイクを引き裂く
子どもたちを端数に切り刻むみたいに、よ、俺は男たちに税金をかける

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「rippin' mics nice twice」——美しく2倍のスピードでマイクを引き裂く(rip=素晴らしくラップする)。「dicin' kids in fractions」はサイコロを振るように(または刻むように)相手を分数(端数)に分解する数学的比喩。「tax men」は相手から「税」として敬意・評判を徴収する。

Chorus — Pep Love

Steppin' to Casual — (That's when ya lost!)
What about Domino? — (That's when ya lost!)

Casualに挑もうとした——(それがお前が負けた瞬間だ!)
Dominoはどうだ?——(それがお前が負けた瞬間だ!)

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Pep Love(HieroglyphicsクルーのMC)が司会役として各メンバーの名前を呼び上げる。Casual、DominoはHieroglyphicsクルーのMC。誰に挑んでも即座に「That's when ya lost」が返ってくる構造が反復のカタルシスを生む。

But if you step to Snupe — (That's when ya lost!)
Steppin' to A-Plus? — (That's when ya lost!)

Snupeに向かったら——(それがお前が負けた瞬間だ!)
A-Plusに挑む?——(それがお前が負けた瞬間だ!)

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Snupe(別名Touré)はHieroglyphicsクルーのDJ。A-PlusはSouls of Mischiefのプロデューサー兼MC。クルーのあらゆるポジション——MC、DJ、プロデューサー——が皆強いというメッセージ。

If you play with Tajai — (That's when ya lost!)
Man, steppin' to Opio? — (That's when ya lost!)

Tajaiをナメたら——(それがお前が負けた瞬間だ!)
Opioに挑もうとしたら?——(それがお前が負けた瞬間だ!)

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「play with」は「からかう、舐める」——バトルの文脈ではNgative(舐めた行動)に対して即ペナルティがくるという宣言。コーラスの反復構造がトランス的なグルーヴを作る。

Steppin' to Phesto — (That's when ya lost!)
f**k with Touré — (That's when ya lost!)

Phesoに向かったら——(それがお前が負けた瞬間だ!)
Touréに手を出したら——(それがお前が負けた瞬間だ!)

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TouréはSnupeの本名。同じメンバーを名前を変えて再度呼ぶことで、「Hieroglyphicsはどの角度から攻めても負ける」という完全無欠のイメージを強化。

Verse 3 — A-Plus

Yo! I'm willin' to bet you're willin' to sweat (Yeah!)
But illin' will get you bruised, I kill and I step to crews

よ!お前が必死になる覚悟があると賭けてもいい(イェア!)
だがイカれた行動はアザを作るだけ——俺はキルして、クルーに突進する

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「willin' to sweat」は「汗をかく覚悟がある」=真剣に取り組む意志。「illin'」は変な行動をとる、イカれたことをする(80〜90年代スラング)。A-Plusのバースは前の2人より直接的で対決姿勢が強い。

And abuse twos and threes
Who's the G's that hoes know? (Me)
Me and Hiero, I know, I'm fly, bro!

2人3人を一緒に痛めつける
女たちが知ってるGは誰だ?(俺だ)
俺とHiero——わかってる、俺はイケてる、ブロ!

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「G」はギャングスタ→ここでは「本物の男」の意。「Hiero」はHieroglyphicsクルーの略称。「I'm fly」は「俺はイケてる/格好いい」——A-Plusの自己評価は揺るぎない。

So why flow if you're not invigoratin'? (Why?)
I know where you live, there at your crib, I got n***as waitin'

元気づけるものを持ってないなら、なぜラップする?(なぜだ?)
お前の家がどこか知ってる——そこで仲間が待ってる

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「invigoratin'」は活力を与える、元気づける——リスナーに何かを与えられないラップはする意味がないというA-Plusの音楽哲学。後半の「I got n***as waitin'」はやや脅迫的なバトルライン。

I figure rapin' is a crime, see
I take my time, B, and now your G is mine, G

レイプは犯罪だと思ってる、そう
俺はゆっくり時間をかける、B——そして今お前のGは俺のものだ、G

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バトルラップの文脈で「あえて法的境界線を口にする」ことで逆説的に状況の支配を示す。「your G is mine」——お前の彼女(G=girl)を奪うというバトルトロープ。「B」と「G」は呼びかけの省略形(Bro、Girl/Guy)。

Now I'm gonna show you how the West Coast smash kids
Yo! I'm rhymin' swell, so to hell with a wack diss!

今からウェストコーストがどうガキどもを粉砕するか見せてやる
よ!俺のライムは最高だ——ウワックなディスなんてくたばれ!

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「how the West Coast smash kids」——G-Funkとギャングスタラップのイメージとはまったく異なるWest Coast(オークランド)の知性派スタイルを誇示。「rhymin' swell」は素晴らしいライミング——「swell」はジャズ・ソウル時代の言葉でBay Areaの昭和リバイバル感覚。

Generalizin', dissin' before you've ever seen this
So you can get the middle (What middle?!) The penis

一般化して、見たこともないくせにディスる
だから中間のをもらえ(どの中間だ?!)ペニスだ

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「generalizin'」——根拠なく一般化してディスる相手への批判。「get the middle」というボカした表現→「What middle?」という疑問→「The penis」というオチのコミカルな3段構成。A-Plusのユーモアセンスが爆発するバースの締め。

Verse 4 — Opio

Never the match the miraculous tactics
I smack tricks, throw axes at your wack b***h

奇跡的な戦術には誰も匹敵できない
俺はトリックを叩き、お前のウワックな女に斧を投げる

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「miraculous tactics」——奇跡的という形容詞がOpioのラップの自己評価。「smack tricks」はスラップを食らわせる(tricksはここでダメな女性スラング)。「throw axes」は斧投げ——言葉の斧で対戦相手を切り裂く比喩。

I crack bricks over dicks who can't come
I leave 'em broke and dumb

力のない男たちの頭にレンガを叩きつける
奴らを財産ゼロ、無言で放置する

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「crack bricks」は建設現場の比喩(全バースを通じた工具/建設メタファーの継続)。「broke and dumb」は金なし・言葉なし——バトルで完全に倒した相手の状態を2語で表現。

Deaf, and plus I'm causin' cardiac arrest, you need some rest
Check as I'm chiselin' riddles in your memory

耳も聞こえなくして、俺は心停止まで引き起こす——少し休め
チェックしろ——俺はお前の記憶に謎をノミで彫り込む

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「cardiac arrest(心停止)」——ラップの衝撃が身体的ダメージに等しいという比喩。「chiselin' riddles in your memory」——ノミ(chisel)で謎を彫る——石彫り職人のイメージ。謎かけのようなフロウが記憶に永遠に残るという自信。

Remember me? I hacked your body to pieces disassemblin' your flows
You bros started tremblin' from shock and trauma

俺を覚えてるか?お前の体を切り刻み、フロウを解体した
お前ら兄弟はショックとトラウマで震え始めた

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「hacked your body to pieces」はコンピュータのhackと斧のhackを重ねた技巧的な表現。「disassemblin' your flows」——ラップフロウを分解・解体する。医学的な「shock and trauma」という語彙の使用がOpioの語彙の幅を示す。

I'm gonna end lives when I bomb-a
Babblin' dyslexic, I make 'em exit

爆撃するとき命を終わらせる
ディスレクシックにしゃべり、奴らを退場させる

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「bomb-a」は「爆撃する」——ラップで圧倒的なパフォーマンスをするの比喩。「babblin' dyslexic」は読字障害のようにランダムに見えるが実は計算されたフロウ——わかりにくいが強力な技術の表現。

This lifetime, I wake up words, I excite rhymes
I'm enthusin' when I'm bruisin'

この生涯で、俺は言葉を目覚めさせ、ライムを興奮させる
痛めつけるとき俺は熱狂している

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「wake up words」——眠っている言葉を起こすという詩的な表現。「excite rhymes」はライムを興奮させる——Opioにとってラップは単なる競争ではなく言語との対話。「enthusin'」はenthusing(熱狂する)の短縮形で珍しい造語。

Hoes take off their shoes when I abuse men
You're losin'

俺が男たちをいじめると、女たちは靴を脱ぐ
お前は負けている

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「hoes take off their shoes」——バトルで圧倒的な勝利を収めるとき、女性たちが「くつろぎモード」に入る(自分のショーに引き込まれる)というコミカルなイメージ。「You're losin'」——シンプルな一言が全ての締め。

Chorus 2 — Pep Love

If you slept on Del — (That's when ya lost!)
Steppin' to Pep love — (That's when ya lost!)

Delを舐めにかかったら——(それがお前が負けた瞬間だ!)
Pep Loveに挑もうとしたら——(それがお前が負けた瞬間だ!)

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「slept on Del」——Del the Funky Homosapien(Hieroglyphicsリーダー、Ice Cubeの従兄弟)を「sleept on(過小評価した)」瞬間が敗北。コーラスでPep Love自身の名前も宣言するセルフ・ビッグアップ。

f**kin' around with J-Biz — (That's when ya lost!)
Step to Mike G! — (That's when ya lost!)

J-Bizをナメたら——(それがお前が負けた瞬間だ!)
Mike Gに挑んだら——(それがお前が負けた瞬間だ!)

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J-Biz、Mike GはいずれもHieroglyphicsクルーの周辺メンバー。クルーの知名度の低いメンバーでさえも「step to したら負ける」という奥行きのあるロスター宣言。

Smokin' on that crack rock — (That's when ya lost!)
The Souls of Mischief — (That's when ya lost!)

クラックロックを吸い始めたら——(それがお前が負けた瞬間だ!)
Souls of Mischiefに挑んだら——(それがお前が負けた瞬間だ!)

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クラック(コカイン)の吸引が「losing」の一例として挙げられる——ドラッグに手を出した瞬間に人生で負けるという道徳的メッセージを、バトルラップのフォーマットに組み込んだ巧みな使い方。

When you don't know where you're goin' — (That's when ya lost!)
When you don't win! — (That's when ya lost!)

どこに向かってるかわからないとき——(それがお前が負けた瞬間だ!)
勝てないとき——(それがお前が負けた瞬間だ!)

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イントロの「No sense of direction」に呼応するライン——方向性を失ったとき、それ自体が敗北の定義だというコーラス最後の哲学的な宣言。バトルラップを超えた人生訓として機能する。

f**kin' around with Hieroglyphics — (That's when ya lost!)
If you f**k with the Shamen — (That's when ya lost!)
That's how you lose, proper — (That's when ya lost!)

Hieroglyphicsに手を出したら——(それがお前が負けた瞬間だ!)
Shamenに挑んだら——(それがお前が負けた瞬間だ!)
これが本物の負け方だ——(それがお前が負けた瞬間だ!)

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「Hieroglyphics」はクルー全体の名称——ここで全てが集約される。「The Shamen」はHieroglyphics内のサブグループ名。「proper」は「本格的に、正真正銘の」——「that's how you lose, proper」でコーラス全体の締めくくり。
Souls of Mischief - 93 'til Infinity

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That's When Ya Lost / 93 'til Infinity

Souls of Mischief

■文化背景:1993年のバトルラップとHieroglyphics

Ronnie Foster「Mystic Brew」とATCQとの偶然の一致
A-Plusのビートの核となるRonnie Foster「Mystic Brew」(1972)は、同年にA Tribe Called Questが「Electric Relaxation」でも使用したサンプル素材だ。同じ原曲を、ATCQがメロウなラブソングに変換する一方、A-Plusはよりグルーヴィーなバトルトラックに仕立てた——同じ素材でまったく異なる料理が生まれた1993年の偶然の競演。

G-Funkに対するベイエリアの回答
1993年、Dr. DreのG-Funkが西海岸HHを席巻する中、オークランドのSouls of Mischiefは意図的に異なる道を選んだ。ジャズ・ソウルのサンプリング、高度な語彙、複数MCのリレーというスタイルは、ATCQやDe La Soulら東海岸の知性派と共鳴しながら、「West Coastにもこんな音楽がある」という宣言だった。

Hieroglyphicsクルーのエコシステム
Souls of MischiefはDel tha Funky Homosapien率いるHieroglyphicsクルーの中核メンバー。DIY精神でHieroglyphics Imperium Recordsを設立し、メジャーレーベルに依存しない独立した音楽活動を続けた。「That's When Ya Lost」のコーラスはクルー全員の名前を羅列することで、Hieroglyphicsが単一のグループではなく「最強軍団」であることを音楽的に証明する集合体宣言だ。

バトルラップとアンセムの融合
典型的なバトルラップは相手を直接名指しで攻撃するが、この曲は「誰に挑んでも負ける」という普遍的な宣言の形式を取ることで、特定の相手への怨恨ではなくHieroglyphics全体の優位性を示すアンセムに昇華した。Pep Loveのコーラスが「問い→即答」の機関銃構造で疾走することで、リスナー全員をHieroglyphicsサイドに引き込む設計になっている。

■レガシーと影響

「That's When Ya Lost」は『93 'til Infinity』の中でもタイトル曲に並ぶ重要曲として、ゴールデンエラ・ヒップホップのファンに長く愛聴されてきた。大工・建設・医学・数学の比喩を縦横無尽に使う4MCのリリシズムは、後続の多くのリリシストたちが「知的なバトルラップの教科書」として参照してきた。

Ronnie Foster「Mystic Brew」という共通素材をATCQと異なる文脈で活用したこの曲は、サンプリング文化における「素材の多義性」の好例として、ヒップホップ制作論を語る際に繰り返し引用される。同じループが全く異なる感情と文脈を生む——この事実がサンプリングをただの「引用」ではなく「再発明」として位置づける。

日本では1990年代から「ジャズヒップホップ」「チル系ウェストコースト」の文脈でSouls of Mischiefが愛聴され、特にこの曲はHieroglyphicsのクルー名と各メンバー名を学べる「入門曲」としてファン間で親しまれてきた。LAMP EYE、BUDDHA BRAND、SHAKKAZOMBIEなど複数MCリレー形式を得意とする日本のグループへの間接的影響も指摘される。

アーティストについて

Souls of Mischief

Oakland, California · 1991–

A-Plus、Opio、Phesto、Tajaiからなるオークランド出身の4人組。Hieroglyphicsクルーのサブグループ。1993年デビュー作「93 'til Infinity」でビリー・コブハムのジャズをサンプリングした浮遊感あるビートと知的なマイクリレーを提示し、Gファンクとギャングスタラップが席巻するシーンにオルタナティヴな風を吹き込んだ。年間175件の殺人が発生するオークランドで「チル」を歌うことで、暴力の時代の精神的避難所となる音楽を作り上げた。

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