Method ManとRedmanが主演した2001年の映画『How High』を解説。あらすじ、ヒップホップ文化的な背景、サウンドトラック、そして二人のコンビとしての歩みを事実ベースで読み解く。
『How High』は2001年12月21日にアメリカで公開されたコメディ映画だ。監督はJesse Dylan、脚本はDustin Lee Abraham、配給はUniversal Pictures。ヒップホップのMC2人——Method ManとRedman——が主演を務めた、マリファナをテーマにした「ストーナー・コメディ」である。
Method ManはSilas P. Silas役、RedmanはJamal King役を演じる。二人はこの映画の前からコンビとして知られており、共作アルバム『Blackout!』(1999)でも組んでいた。映画はその関係性をスクリーンに持ち込んだ企画と位置づけられる。
物語の発端は、主人公2人が死んだ友人Ivoryの遺灰を混ぜて育てた特別な大麻だ。それを吸うと頭脳が異常に冴えるという設定で、2人は大学入学のための試験で高得点を叩き出し、名門ハーバード大学への入学を果たす。
大学に入った2人が、エリート的な環境の中で騒動を起こしながら学生生活を送る——というのが本筋になる。下ネタとドラッグ・カルチャーを前面に出した、ジャンルとしては典型的なストーナー・コメディに分類される作品だ。
最大の見どころは、Method ManとRedmanという実在のヒップホップ・デュオがそのままのキャラクター性で主演している点だ。2人の掛け合いのテンポ、アドリブ的な間合いは、彼らのライブやアルバムでのコンビネーションを知るファンにとって楽しめる要素になっている。
共演にはMike Eppsらコメディアンが名を連ねる。[要確認: その他の共演者・各キャラクター名の正確な対応]
2000年代初頭、ヒップホップのアーティストが映画に主演・出演する流れが加速していた。『How High』もその潮流の中にある作品で、ラッパーが「音楽の外」へ活動を広げる典型例のひとつだ。Method Manはこの前後にもHBOドラマ『The Wire』などに出演し、俳優としてのキャリアを重ねていく。
Method Manについては、当サイトのMethod Manのアーティストページと、業界批判をテーマにした楽曲「Say」の和訳・解説もあわせて読むと、彼のラッパー/俳優としての立ち位置がより立体的に見えてくる。
『How High』のサウンドトラックは、主演2人を含むヒップホップ系アーティストの楽曲で構成された。リードシングルはMethod Man & Redmanによる「Part II」。[要確認: サウンドトラックの全収録曲・参加アーティスト・リリースレーベルの詳細]
映画とサウンドトラックがセットで展開される作りは、当時のヒップホップ系映画に共通する商業フォーマットでもあった。楽曲が映画を、映画が楽曲を相互に宣伝する構造だ。
Method Man(Wu-Tang Clan)とRedman(Def Squad)は、共作アルバム『Blackout!』(1999)、続く『Blackout! 2』(2009)でコンビとしての作品を残している。『How High』の主演も、この音楽上のパートナーシップの延長線上にある。
2人は2004年にはFoxのシットコム『Method & Red』にも主演している。音楽・映画・テレビと媒体をまたいで「Method Man & Redman」というユニットを展開した点が、彼らの2000年代の活動の特徴だ。
『How High 2』が2019年にMTVのテレビ映画として制作された。ただしこの続編にMethod ManとRedmanは主演しておらず、Lil YachtyとDC Young Flyが主演を務めた。オリジナル版とは座組が異なる作品である。
『How High』(2001)を日本国内のVODサービスで視聴できる場合があります。配信状況は時期により変動するため、最新の取り扱いは各サービスでご確認ください。
※本記事はアフィリエイトプログラムを利用しており、リンク経由の購入・登録で運営者が収益を得る場合があります。
映画と合わせて、サウンドトラック(Method Man & Redmanほか収録)もチェックしたい。
『How High』は、ヒップホップのアーティストが俳優として主演した2000年代初頭の作品のひとつであり、Method Man & Redmanというコンビの音楽外での代表的な仕事だ。彼らの音楽を入り口に映画へ、あるいは映画を入り口に音楽へ——どちらの方向からでも楽しめる一本である。
まずはMethod Manの「Say」から、彼の声とリリックに触れてみてほしい。