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Tonite 和訳・意味・スラング解説 | DJ Quik

アーティスト
DJ Quik
リリース年
1991
プロデューサー
DJ Quik
収録アルバム
Quik Is the Name
エリア
LA
BPM
100
サンプル元
Kleeer "Tonight" (1981) / Betty Wright "Tonight Is the Night" (1974)

この記事の見どころ

  1. 01 KleeerとBetty Wrightの二重サンプリングが生む滑らかなG-Funkの原型
  2. 02 金曜夜から土曜二日酔いまで——一晩の物語を描く三部構成
  3. 03 DJ Quikが描くComptonのプレイヤー文化:Givenchy・8-Ball・クラップス

元ネタ

解説

■この曲の意味(要約)

金曜の朝から仲間が集まり、夜に向けてビールを冷やし、パーティーで飲み明かす——そして土曜の朝に二日酔いで目覚め、また同じことを繰り返す。DJ Quikがデビューアルバムでオートバイオグラフィカルに描いたComptonのプレイヤーライフ。KleeerとBetty Wrightの二つのサンプルが生む極上のG-Funkグルーヴに、ユーモアと自己観察が溶け込んだ一曲。

■概要

デビューアルバム『Quik Is the Name』(1991年)収録。Kleeer「Tonight」(1981年)とBetty Wright「Tonight Is the Night」(1974年)の二重サンプリングによるコーラスが特徴。Dr. DreのG-Funkより1〜2年先行して「ファンキーなウェストコーストのパーティーサウンド」を確立した先駆的作品。DJ Quik自身がプロデュースを担当。

■主なスラング・キーワード

「ネス湖の怪物」に引っかけた造語。loc(仲間・ギャング)+Loch Ness。Quikの危険なloc性を示す。 Old English 800(マルトリカー)の略称。当時のギャングスタ文化の象徴的飲み物。 マリファナを巻いたblunt(葉巻)の比喩。ステンシルのような細長い形から。 40オンス(約1.2L)の大型マルトリカー瓶。 20ドルのスラング(W=ダブルU=20)。 嘔吐の婉曲表現。嘔吐音から来るユーモアあるスラング。

Intro

Here we go
Yo

さあ行くぞ

Verse 1 — DJ Quik

A day in the life of a player named Quik
I'm just a stubborn kind of fella with a head like a brick

Quikというプレイヤーの一日
ただの頑固者で、頭はレンガのようだ

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"player"は女性関係が多く、金銭的にも余裕のある成功した男性。"head like a brick"は頑固で動じないことの比喩。

And just because I drink the 8', they say that I'm hopeless
But I don't give a f**k, so blame it on the loc-ness

8-Ball(麦芽酒)を飲むだけで絶望的だと言われる
でもどうでもいい、俺のloc性のせいにしろ

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Old English 800(通称8-Ballまたは8')はマルトリカー。当時のギャングスタ文化の象徴的飲み物。"loc-ness"はネス湖の怪物(Loch Ness)とギャングスラング"loc"を合わせた造語。

Now this is how we do it when we checkin' a grip
Teddy Bear is in the house, so don't even trip

大金を確認する時はこうやる
Teddy Bearがいるから心配するな

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"checkin' a grip"は大金を数えること。Teddy Bearはクルーのメンバーのニックネーム。"don't trip"は「心配するな」のスラング。

We're bustin' funky compositions as smooth as a prism
So check it while I kick it to this funky ass rhythm

プリズムのように滑らかなファンキーな曲を出している
このファンキーなリズムに乗りながら聴いてくれ

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"bustin'"は「作っている」「出している」。プリズムの滑らかさをサウンドの質感の比喩に使う。"kick it"は「(曲に)乗る」「リラックスする」。

It's Friday morning, the phone is ringin' off the hook
And AMG is in the den reviewin' rhymes in his notebook
Or should I say dope sack, because we don't bust wack

金曜の朝、電話が鳴り止まない
AMGは書斎でノートのライムをチェックしている
いや、「ドープな袋」と言うべきか——俺たちはヘタなもの出さないから

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AMGは実在のラッパーで、DJ Quikとよく共演したComptonのMC。"dope sack"はドラッグの袋——"notebook"(ノート)との言葉遊びで、内容の「濃さ」を強調。

I pick up the phone and it's the D ("Wassup, n***a?")
He said he's comin' down, about 2:00 on the dot

電話を取るとDだった(「どうした?」)
2時きっかりに来ると言っている

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Dは別のクルーメンバー。電話で集合時間を確認する——パーティーの準備が進んでいく描写。リアルな会話口調が映像的な場面を作る。

So I'm about to rush the tub while my water's still hot
And now I'm soakin', a brother like the devestatin' DJ Quik ain't jokin'
f**k with me on the S.P. and you'll get broken

お湯が冷める前に急いでバスタブに入る
浸かっている——「破壊的なDJ Quik」という男は冗談じゃない
S.P.(サンプラー)で俺に挑もうとしたら折られるぞ

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"devastatin'"は「壊滅的な」の意だが、ここではスキルの高さを誇張表現で褒める形容詞。"S.P."はE-mu SP-1200サンプラー——プロデューサーとしての自信を示す。

My name is Quik, but you can call me Daddy
Yo, open up the door, 'cause here come Freak-Man in a Caddy

俺の名前はQuik、でもDaddyと呼んでいい
ドアを開けろ、FreakyがCadillacで来た

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"Daddy"は性的に支配的な男性を指す自称。FreakyはFreak-Man(クルーメンバーのニックネーム)、Caddy=Cadillacはウェストコーストのステータスカー。

Now Freaky's in the El-Dog and Shabby's in the El-Co
And everybody's sippin' on a quart (Here we go!)

FreakyはEl Doradoに、ShabbyはEl Caminoに乗っている
みんなクォート(大びん)をちびちびやっている(さあ行くぞ!)

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El-Dog=Cadillac El Dorado、El-Co=Chevy El Camino。1980〜90年代のComptonでは人気の車種。"quart"は1クォート(946ml)の大型マルトリカー瓶。

D just came with a forty and a quart
In addition to the three that Greedy just bought
But I don't wanna start early, so I just might
Put my forty in the freezer, 'cause I wanna get bent

Dが40ozと1クォートを持ってきた
Greedyが買った3本に加えて
でも早く飲み始めたくないから
40ozを冷凍庫に入れておく——夜に酔いたいから

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"forty"は40オンスのマルトリカー瓶。"Greedy"はまた別のクルーメンバー。"get bent"は酔っ払うこと。飲み始めのタイミングを計る自制心が——夜の大爆発への伏線として機能する。

Chorus

★ 二重サンプリングのフック

"Tonight is the night" (Yeah)
"Tonight"
"Tonight is the night"
"Tonight"
(Yo, when we gon' get bent?) "Tonight"
"Tonight is the night" (Aw, yeah!)

「今夜こそその夜」(Yeah)
「今夜」
(いつ酔う?)「今夜」
「今夜こそその夜」(ああそうだ!)

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KleeerのTonight(1981)のボーカルサンプルと、Betty WrightのTonight Is the Night(1974)を重ねた二重サンプリング。「その夜」に向かう期待感を最高潮に高めるフック。

Verse 2 — DJ Quik

And now I'm out of the tub, I'm feelin' fancy free
Spray on some Xeryus and put on my Givenchy

バスを出て、気分は爽快
Xeryusを吹きかけて、Givenchyを着る

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GivenchyのXeryus香水(1986年発売)は高級感の象徴。デビュー間もない若いラッパーがデザイナーブランドを身につけることで、成功と上昇志向を示す。

Sweatsuit, the gray one with the burgundy trim
And it's a medium, fit me proper 'cause I'm nice and slim

スウェットスーツ、バーガンディのトリミングが入ったグレーのやつ
Mサイズ、ちょうどいい——俺はスリムだから

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ブランド物のスウェットスーツは当時のヒップホップファッション。サイズや色を細かく描写することで映像的なリアリティを生む——まるで映画のシーンを見ているよう。

5:30 on the clock and the sun is steadily sinkin'
And I am steadily thinkin' about the 8' that I'll be drinkin'

時計は5時半、太陽が沈んでいく
俺は飲む8-Ballのことをずっと考えている

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金曜夕方——夜への移行を時刻と太陽の動きで描写。ビールへの渇望を「考え続ける」という表現でユーモラスに示す。

You know I ain't ashamed and you know I ain't bashful
So go on and pop the forty, so I can pour me a glassful

俺が恥じていないし、臆していないのは知ってる
だから40ozを開けてくれ、グラスに注ぐから

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"ashamed"と"bashful"は同義語を並べた強調表現。飲酒への一切の罪悪感を否定し、解放的に楽しむことを宣言。

Hamm is in the bedroom rollin' up a stencil
Fatter than a pinky and the length of a pencil
Freaky lit it up and hit it one, two, three
Shabby took a hit and then they pass it to me

Hammが寝室でブラントを巻いている
小指より太く、鉛筆の長さ
Freakyが火をつけて1、2、3回ふかした
Shabbyがひと口してから俺に回してきた

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ブラント(マリファナを巻いたもの)を仲間で回す場面のリアルな描写。「stencil」は細長い形状からブラントの比喩。一人一人の行動を丁寧に追うことでシーンの臨場感を出す。

Yo, I can feel my senses (Gettin' numb!)
Yo, f**k the forty ounce (I need some rum!)
I'm chillin' like a villain (Here I come!)
And that's how I'm livin'

感覚が(麻痺してくる!)
40ozなんてもういい(ラムが必要だ!)
悪役のようにリラックスしている(さあ来い!)
これが俺の生き方だ

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マリファナで感覚が麻痺し、アルコールをエスカレートさせていく流れ。"chillin' like a villain"はリラックスしながらも主体的な威力を保つ表現。

Tonight is the night and I'm lookin' real sporty
Proper Friday evening, and I'm ready to party

今夜こそその夜——スポーティに決めている
ちゃんとした金曜の夜、パーティーの準備完了

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"sporty"はスタイリッシュ・かっこいいの意。"proper"は「完璧な」「本物の」。金曜夜の準備が完全に整った瞬間——三部構成の第二部のクライマックス。

Crusher came in with a handful of snaps
f**k it – let's shoot some craps
(Yo, what that hittin' fo'?) A fin or a half
(Yo, shoot that ten, n***a!) Don't make me laugh

Crusherが現金を一束持って来た
もういい——クラップスをやろう
(何を賭けるんだ?)5ドルか半ドル
(10ドル賭けろ!)笑わせるな

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"snaps"は紙幣。"craps"はサイコロを使ったストリートギャンブル。"fin"は5ドル(フィンランド語の5に由来)。賭け金の交渉のリアルな会話。

Hi-C won a dub and he think that s**t is funny
But I'm seven and eleven and I'm takin' n***as money

Hi-Cが20ドル勝って笑っている
でも俺は7と11を出して仲間の金を取っている

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"dub"は20ドルのスラング(W=ダブルU=20)。クラップスで7と11は即勝ちの出目(ナチュラル)。Quikが連続して勝っている場面。

Chorus 2 + Post-Chorus

"Tonight"
"Tonight is the night"
(Yeah, watch me bust a ho) "Tonight"
"Tonight is the night"
(Passin' naturals on motherf**kers) "Tonight"
"Tonight is the night"
(Yo, I'm unfadeable) "Tonight"
"Tonight is the night"

「今夜」
「今夜こそその夜」
(ナチュラルを出し続けるぞ)「今夜」
(俺は無敵だ)「今夜」

"Tonight"
Ahh, yeah
Givin' 'em somethin' they can roll on
Hold on

「今夜」
ああそうだ
みんなが乗れるものを出してやる
ちょっと待て

Verse 3 — 翌朝の二日酔い

Wake up Saturday morning, and I got a headache
I can't believe that I'm sick from all the s**t that I drank

土曜の朝目が覚めると頭痛
飲んだもので具合が悪いとは信じられない

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三部構成の第三部——翌日の二日酔い。「信じられない」という自己欺瞞がユーモラス。あれだけ飲めば当然だが、認めたくない。

Soon as I felt it comin' on, I shoulda quit
It's true that a drunk ain't s**t

気分が悪くなった時点でやめるべきだった
酔っ払いは本当に駄目だ

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珍しく自己批判的な行。だが直後に神への誓いを破ることで、この反省も長続きしないことが示される。

To the man up above to whom thanks I give
I'll never drink again, if You just let me live

感謝を捧げる天の神様よ
生かしてくれさえすれば、もう二度と飲みません

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二日酔いで神に誓いを立てる——英語圏のコメディ的な「飲み過ぎた翌朝の誓い」の定番表現。聖書的な言い回しをユーモラスに使っている。

Mike P spoke to me and I said I couldn't call it
Callin' Earl like a mother while I'm grippin' the toilet
I need a 7-Up, because my head is spinnin'
Round and round, I think I better sit down

Mike Pが話しかけてきたが何も答えられない
便器を握りながらEarlを呼んでいる(嘔吐している)
頭がぐるぐるするから7-Upが必要
ぐるぐる回る、座ったほうがよさそうだ

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"Callin' Earl"は嘔吐を指す英語のユーモラスなスラング(嘔吐音から)。7-Upはジンジャーエールと並んで胃痛に良いとされる炭酸飲料。

My homie Shot is alright, but I'm feeling faint
I guess he's used to it, but a n***a like Quik ain't

仲間のShotは大丈夫だが、俺は気を失いそう
あいつは慣れてるんだろうが、Quikみたいな男は慣れてない

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仲間との比較でユーモラスに自分の弱さを認める——プレイヤーとしての威厳と人間的な弱さのギャップが笑いを生む。

★ 誓いの崩壊——円環構造のクライマックス

K is on the phone, and Teddy's at the door
And some fine ass b***hes comin' over at four
(I thought you wasn't drinkin no more?)
Yeah, right
Because as soon as they come, we doin' the same ol' s**t tonight

Kが電話している、Teddyがドアに来た
4時に美女たちが来る
(もう飲まないんじゃなかったの?)
そうだよ、まあね
だって彼女たちが来たら、今夜また同じことをやる

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神への誓いは数時間で崩壊——美女の来訪で即座に気持ちが切り替わる。"Yeah, right"はここでは「そうだったね(でも無理)」という反語。完璧な円環構造——物語は同じ夜に戻っていく。この夜は永遠に繰り返される。

Outro Chorus & Outro

"Tonight is the night" (Yeah)
"Tonight"
"Tonight is the night"
(Straight gettin' f**ked up, hey) "Tonight"
"Tonight is the night"
(That s**t be f**kin' a n***a up) "Tonight"
"Tonight is the night"
(Aw yeah, nothin' but a party and I'm kickin' it) "Tonight"
(What's up, Greedy Greg?) "Tonight is the night"
(How you livin'?) "Tonight"
"Tonight is the night"
(Yeah) "Tonight"
"Tonight is the night"
"Tonight" (See ya)

「今夜こそその夜」(Yeah)
(完全にやられてる)「今夜」
(Greedy Greg元気か?)「今夜こそその夜」
「今夜」(またな)

We out!
f**k peace, n***a, give me another brew!

俺たちは出て行く!
平和なんてくそくらえ、もう一杯くれ!

アーティストについて

DJ Quik

Compton, California · 1988–

本名David Marvin Blake。Comptonが生んだプロデューサー兼MCで、Kleerのサンプリングによる「Tonite」(1991年)など初期G-Funkの美学を確立した先駆者。ファンキーなベースラインと瀟洒なパーティーバイブを持ち味とし、同時代のDr. Dreとは異なる"プレイヤー的G-Funk"を体現。プロデューサーとしてもDr. Dre・2Pac・Marvin Gayeのトリビュートアルバムなどに参加し、現在もL.A.シーンで現役。