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ooh la la 和訳・意味・スラング解説 | Run The Jewels

アーティスト
Run The Jewels
リリース年
2020
プロデューサー
El-P
収録アルバム
RTJ4
エリア
NY/Atlanta
BPM
85
サンプル元
Gang Starr feat. Nice & Smooth "DWYCK" (1992) — Greg Nice vocal

この記事の見どころ

  1. 01 Gang Starr feat. Nice & Smooth「DWYCK」(1992)からGreg Niceの象徴的ボーカルをサンプリング
  2. 02 DJ Premier本人がスクラッチ参加——かつて自分が手がけたサンプル元曲のビートの上でスクラッチするというメタ構造
  3. 03 「ブーンバップへの回帰」と「現代の資本主義批判」を高次元で融合させた2020年代ヒップホップの傑作
解説

■この曲の意味(要約)

2020年リリースのRun The Jewels 4作目アルバム『RTJ4』の先行シングル。El-PとKiller Mikeが1990年代東海岸ブーンバップへのオマージュを現代の階級批判・資本主義への怒りと融合させた一曲。「M(millions=金)」を求める強迫的欲望と、支配者層への徹底的な反抗が交互に展開する。タイトル「ooh la la」はGreg Niceのボーカルサンプルから来ており、高揚感を演出しながら、歌詞では体制転覆のメッセージが炸裂する。

■概要

2020年3月25日リリース。プロデュースはEl-P(Little Shalimar・Wilder Zoby兄弟が共同プロデュース)。Gang Starr feat. Nice & Smooth「DWYCK」(1992年)のGreg Niceボーカルフレーズを大胆にサンプリングし、さらにDJ Premier本人がスクラッチを担当。BPM 85(ハーフタイム表記、トラック全体は170 BPM)の重厚なグルーヴが、新型コロナウイルスのパンデミック開始直後、そしてジョージ・フロイド事件前夜という歴史的文脈の中でリリースされた。

■導入(時代背景)

El-P(Jamie Meline)はニューヨーク出身、Killer Mike(Michael Render)はアトランタ出身。2012年の初コラボ以来、Run The Jewelsは「ハードコアな音楽性」と「左派的政治思想」を組み合わせた独自路線でアンダーグラウンドからメインストリームへと浮上してきた。『RTJ4』は2020年6月にコロナ禍・ブラック・ライブズ・マター運動の激化を受けて無料配信として前倒しリリースされ、時代の怒りを代弁するアルバムとなった。

Intro

★ El-Pの一声——始まりの合図

Uh, hey (Oh, s**t)

ウ、ヘイ(おっと、やばい)

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El-Pのシグネチャーとも言えるさりげないイントロ。「Oh, s**t」はKiller MikeがEl-Pのビートを初めて聴いたときのリアクションを模したとも解釈される。チルな一言でブーンバップへの扉を開く。

Chorus

★ Greg Niceのボーカルサンプル——世代を超えた連続性

Ooh, la la, ah, oui oui
Ooh, la la, ah, oui oui

ウー、ラ・ラ、アー、ウィ・ウィ
ウー、ラ・ラ、アー、ウィ・ウィ

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Gang Starr feat. Nice & Smooth「DWYCK」(1992年)のGreg Niceによるシグネチャーフレーズをサンプリング。「oui oui」はフランス語で「はい、はい」。Greg Niceのトレードマークであるこのフレーズを使うことで、1990年代NYヒップホップのDNAを現代に蘇らせる。

Ooh, la la, ah, oui oui (Ayy)
Ooh, la la, ah, oui oui (Let's go)
Ooh, la la, ah, oui oui
Ooh, la la, ah, oui oui
Ooh, la la, ah, oui oui
Ooh, la la

ウー、ラ・ラ、アー、ウィ・ウィ(エイ)
ウー、ラ・ラ、アー、ウィ・ウィ(さあいくぞ)
ウー、ラ・ラ、アー、ウィ・ウィ
ウー、ラ・ラ、アー、ウィ・ウィ
ウー、ラ・ラ、アー、ウィ・ウィ
ウー、ラ・ラ

Verse 1 — El-P

★ 「M(百万ドル)」への強迫的執着

Lookin' for M's like I lost a friend
Jump out of my bed like, "Where the bread?"

M(百万ドル)を探し回る——まるで友人を失ったかのように
ベッドから飛び起きて「金はどこだ?」

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「M's」はmillions(百万ドル)のスラング。「bread(パン)」はお金のスラング——「where the bread(金はどこだ)」は起き抜けから金のことしか頭にない状態を描く。資本主義社会で生き抜くための強迫観念を自虐的に表現。

You gon' hold the egg, waiter bring the check
When we talk, we Kalashnikov, keep us in your thoughts

お前が卵を持て、ウェイターよ伝票を持ってこい
俺たちの話はカラシニコフ(AK-47)——心に刻んでおけ

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「hold the egg(卵を持つ)」は「卵を産む(金を生む)側」の比喩。「Kalashnikov(カラシニコフ)」はAK-47の製造者名——俺たちの言葉は自動小銃のように連続して強力だ、という意味のメタファー。

Fully dressed at the crack of dawn, weapons letting off
I can hear them from the block, see them creeping through the fog

夜明けから完全武装、武器が火を噴く
ブロック(街角)から聞こえてくる——霧の中を忍び寄る気配

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「crack of dawn(夜明けの裂け目)」は夜明け直後を指す詩的表現。「weapons letting off」は銃声のこと。ストリートの危険な日常をシネマティックに描写するEl-P特有のノワール的リリシズム。

Season's greetings, now feeding season can start, oh my God
Look alive, lookin' like I live life on a crooked line

ご挨拶はここまで、さあ「飯の時間(狩りの季節)」の始まりだ——神よ
生き生きしてみせろ——俺は歪んだ線の上を生きているように見える

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「feeding season(飼育の季節)」は捕食者が獲物を食い始める時期のメタファー。「crooked line(歪んだ線)」はまっとうでない人生——アウトサイダーとして生きる自己表現。

★ 「最大限の馬鹿さ」を求める反体制宣言

Doin' fine, you want maximum stupid, I am the guy

調子はいい——「最大限の馬鹿さ」が欲しいなら、俺がそいつだ

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「maximum stupid(最大限の愚かさ)」——体制に従わない、常識を逸脱した存在であることを誇る逆説的な自己紹介。El-Pのアンチ・エスタブリッシュメント精神の凝縮。

Verse 2 — Killer Mike

★ 「法なんか知るか」——Killer Mikeの爆発

First of all, f**k the f**kin' law, we is f**kin' raw
Steak tartare, oysters on the half-shell, sushi bar

まず言っておく、法律なんかくたばれ、俺たちは生のままだ
ステーキタルタル、殻付き牡蠣、寿司バー

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「raw(生の・加工されていない)」は「本物・妥協なし」のヒップホップ的価値観。「steak tartare(ステーキタルタル)」「oysters on the half-shell(殻付き牡蠣)」「sushi bar(寿司バー)」はすべて「生(raw)」で食べる高級料理——「俺たちも同じくrawだ」という洒落。

Life a b***h and the pussy fish, still f**ked her raw
I'm a dog, I'm a dirty dog, ha-ha-ha-ha-ha

人生はビッチで、その魚臭い女でさえ生でやった
俺は犬だ、汚れた犬だ、ハハハハハ

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「life a b***h(人生はビッチ)」は有名なヒップホップのフレーズ——人生は思い通りにならない、という意味。「dirty dog(汚い犬)」はアウトローとしての自己規定。笑い声で締めることで、深刻さを吹き飛ばす。

★ Ol' Dirty BastardとJeru the Damajaへのリスペクト

Ol' Dirty Bastard, go in your jaw, shimmy shimmy ya
Got the semi in the hemi, goin' "Gimme, gimme, y'all"

Ol' Dirty Bastard、お前の顎に入っていく、shimmy shimmy ya
ヘミ(エンジン)の中にセミ(拳銃)を持ち込んで「くれ、くれ」と叫んでる

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「Ol' Dirty Bastard(ODB)」はWu-Tang Clanのメンバーへのオマージュ。「shimmy shimmy ya」はODBの1995年の楽曲タイトル。「semi(セミ)」はsemi-automatic(半自動拳銃)、「hemi(ヘミ)」はHEMI V8エンジン(マッスルカー)——韻のためのウィットに富んだ組み合わせ。

Pugilistic, my linguistics are Jeru the Damaja
And I rap it pornographic, b***h, set up the camera

好戦的に、俺の言語はJeru the Damajaだ
ポルノグラフィックにラップする——ビッチよ、カメラをセットしろ

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「pugilistic(ピューギリスティック)」は「ボクシング的・攻撃的」の意。「Jeru the Damaja(ジェル・ザ・ダマージャ)」は1990年代ニューヨークのラッパー——鋭い言語能力の代名詞。「pornographic(ポルノグラフィック)」はその露骨さと直接性を指す。

Chorus

Ooh, la la, ah, oui oui (Ayy)
Ooh, la la, ah, oui oui (Ah, oui oui)
Ooh, la la, ah, oui oui
Ooh, la la, ah, oui oui (Mon cheri, mon cheri)
Ooh, la la, ah, oui oui (Mon cheri, mon cheri)
Ooh, la la, ah, oui oui
Ooh, la la, ah, oui oui (I need a bottle of Moët, ho, come on)
Ooh, la la, ah, oui oui (Garçon)

ウー、ラ・ラ、アー、ウィ・ウィ(エイ)
ウー、ラ・ラ、アー、ウィ・ウィ(アー、ウィ・ウィ)
ウー、ラ・ラ、アー、ウィ・ウィ
ウー、ラ・ラ、アー、ウィ・ウィ(モン・シェリ、モン・シェリ)
ウー、ラ・ラ、アー、ウィ・ウィ(モン・シェリ、モン・シェリ)
ウー、ラ・ラ、アー、ウィ・ウィ
ウー、ラ・ラ、アー、ウィ・ウィ(モエのボトルが必要だ、さあ来い)
ウー、ラ・ラ、アー、ウィ・ウィ(ギャルソン=ウェイター)

Verse 3 — El-P

★ 「腐敗を覆う」——El-Pの戦士宣言

You covet disruption, I got you covered, I'm bussin' (Bussin')
My brother's a runner, he's crushin', it's no discussion ('Scussion)

お前は混乱を欲しがる——俺が守ってやる、俺は撃ちまくってる
俺の兄弟は走り屋、奴は粉砕している——議論の余地なし

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「covet(コヴェット)」は「強く欲しがる」の意。「bussin'(バッシン)」は元々「shooting(撃つ)」のスラングだが、近年「最高にうまい・最高にいい」にも転用される。「crushing(粉砕する)」は圧倒的なパフォーマンスを指す。

I used to be munchkin, I wasn't 'posed to be nothin' (Nothin')
Y'all f**kers corrupted and up to somethin' disgusting

俺はかつてちびっ子で、何者でもないはずだった
お前ら野郎どもは腐敗して、何か気持ち悪いことを企んでいる

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「munchkin(マンチキン)」は『オズの魔法使い』の小人族——El-Pが無名だった過去を振り返る自己紹介。社会的弱者から成り上がった者として、権力者の腐敗を告発する視点が生まれる。

My pockets are plumper this season, I love to cuff 'em
I'm afraid of nothin' but nothingness, ain't it something?

今シーズンはポケットがふっくらしてる——守り抜くのが好きだ
俺が怖いのは「無」だけだ——それ自体すごいことじゃないか?

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「pockets are plumper(ポケットがふっくら)」は収入増加のこと。「cuff 'em(手錠をかける)」はここでは「しっかりつかんで離さない」の意。「nothingness(虚無)」への恐怖——成功者の唯一の敵は喪失である、という哲学的な自白。

★ 「子供たちをオーブンに入れる」——資本主義の残酷さ

Warmongers are dumpin', they'll point and click at your pumpkin (Look out)
Your suffering is scrumptious, they'll put your kids in the oven

戦争屋どもが捨てていく——お前の頭(かぼちゃ)にポイント&クリックで狙いを定める
お前の苦しみは彼らには美味——子供たちをオーブンに入れる

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「pumpkin(かぼちゃ)」は人の頭の俗語。「point and click(ポイント&クリック)」はドローン攻撃の操作比喩——現代戦争のゲーム化を批判。「your suffering is scrumptious(お前の苦しみは美味しそう)」——権力者が庶民の苦悩を養分にする資本主義の残酷な構造。「put your kids in the oven」はナチスドイツのホロコーストも含む歴史的暴力への言及。

Verse 4 — Killer Mike

★ 「王も女王も関係ない」——根底的な反権威主義

f**k a king or queen and all of they loyal subjects
I pull my penis out and I piss on they shoes in public

王も女王もその忠実な臣下も全員くたばれ
チンポを出して、公衆の面前で奴らの靴に小便をかけてやる

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Killer Mikeの代名詞である過激な反権威主義の宣言。「piss on their shoes(靴に小便)」は「権威への軽蔑」を最も直接的に表現した行為——象徴的な体制侮辱のジェスチャー。2020年のジョージ・フロイド事件後の文脈でリリースされたことで、このラインは特に強烈な共鳴を持った。

People, we the pirates, the pride of this great republic
No matter what you order, muhf**ker, we what you're stuck with (Sorry)

人々よ、俺たちは海賊だ——この偉大な共和国の誇り
何を注文しようと、お前らはこの俺たちと付き合うしかない(悪いな)

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「pirates(海賊)」——制度の外に立つアウトサイダーを誇らしげに自称。「pride of this great republic(偉大な共和国の誇り)」は反語——アメリカの掲げる理念と現実の乖離を皮肉る。「we what you're stuck with」は「俺たちは避けられない存在だ」という不退転の宣言。

★ 「バットマンよりジョーカー」——混沌の側に立つ宣言

I used to love Bruce, but livin' my vida loca
Helped me understand I'm probably more of a Joker

昔はブルース(ウェイン=バットマン)が好きだったが、「vida loca(狂った生活)」を生きるうちに
俺はたぶんジョーカーの方だと理解した

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「Bruce(ブルース)」はBruce Wayne(バットマン)——秩序の擁護者・ヒーロー側。「vida loca(ビダ・ロカ)」はスペイン語で「狂った生活」——Ricky Martinの1999年ヒット曲タイトルも含む。「Joker(ジョーカー)」は混沌を体現するヴィラン。秩序ではなく混沌の側に立つという思想的転換の告白。

When we usher in chaos, just know that we did it smiling
Cannibals on this island, inmates run the asylum

俺たちが混沌を招き入れるとき、笑顔でやったと知れ
この島では食人者たちが跋扈し、収容者が精神病院を運営している

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「usher in chaos(混沌を導き入れる)」——革命的変化を笑顔でやってのける胆力の表現。「cannibals on this island(島の食人者)」は現代資本主義社会を共食いする孤立した島に例える。「inmates run the asylum(収容者が精神病院を運営)」——社会が完全に倒錯した状態の慣用表現。

Chorus / Outro

Ooh, la la, ah, oui oui (Ayy)
Ooh, la la, ah, oui oui (Ayy)
Ooh, la la, ah, oui oui (Ayy)
Ooh, la la (DJ Premier)

ウー、ラ・ラ、アー、ウィ・ウィ(エイ)
ウー、ラ・ラ、アー、ウィ・ウィ(エイ)
ウー、ラ・ラ、アー、ウィ・ウィ(エイ)
ウー、ラ・ラ(DJプレミア)

★ DJ Premierのスクラッチ——歴史的な「閉幕」

Ooh, la la
Ooh, la-, la, la
Ooh, ooh
Ooh, ooh, la la, ah, oui oui
Ooh, la, la, la, la, la
Ah, oui, ah, oui, ah
Ah, ah, oui, oui

ウー、ラ・ラ
ウー、ラ・ラ、ラ
ウー、ウー
ウー、ウー、ラ・ラ、アー、ウィ・ウィ
ウー、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ
アー、ウィ、アー、ウィ、アー
アー、アー、ウィ、ウィ

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アウトロではDJ Premier本人がスクラッチを担当。Greg Niceのボーカルフレーズ(Gang Starrの「DWYCK」から)を、そのプロデューサーであるDJ Premier自身がRTJ4のビートの上でスクラッチする——「自分の過去作品を新世代のビートで再文脈化する」という二重のメタ構造が完成する。

■ キーワード・スラング一覧

millions(百万ドル)の略。金・大金を指す。「looking for M's(Mを探してる)」=金を求めている状態。 お金・現金のスラング。「where the bread(金はどこだ)」は収入・報酬への渇望を表す定番表現。 生の・加工されていない。転じて「本物・妥協なし・手加減なし」。ヒップホップでは真正性の象徴。 元々は「shooting(撃つ)」のスラング。近年はTikTok世代を中心に「最高においしい・最高にいい」にも転用される。 ボクシング的・戦闘的。ラップでは「攻撃的なリリシズム」を指す。 フランス語でウェイターを意味する。コーラスのフランス語フレーズ群(oui oui, mon cheri)と合わせて、高級感・祝祭感を演出。 スペイン語で「狂った生活」。Ricky Martinの「Livin' la Vida Loca」(1999年)由来。アウトロー・アウトサイダーの生き方を指す。 社会が完全に倒錯した状態を表す慣用句。権力者が狂っているという批判的含意。

■ 文化的背景

Gang Starr「DWYCK」とヒップホップの歴史的連続性:「DWYCK」(1992年)はDJ PremierがプロデュースしたGang StarrとNice & Smoothのコラボ曲。Greg Niceの「Ooh, la la, ah, oui oui」というフレーズは1990年代ヒップホップの象徴的なボイス。El-PがこれをサンプリングしたのはDWYCKへの深いリスペクトの表明であり、DJ Premier自身がスクラッチで参加することで「先代から現代への横断」が完成した。

2020年という時代:「ooh la la」は2020年3月にリリースされ、その3ヶ月後にジョージ・フロイドが警察官によって殺害された。Run The JewelsはBLM運動の高まりを受けてアルバム『RTJ4』を無料配信として前倒しリリース。Killer Mikeはアトランタ市長とともに演説を行うなど、社会運動への直接的な関与を示した。

El-PとKiller Mikeの思想的連帯:El-Pは白人でありながら黒人解放運動を支持し、Killer Mikeは社会主義者を自称する黒人ラッパー。この「異なる背景を持つ二者の連帯」がRTJの核心にあり、「ooh la la」の祝祭的な高揚感の裏には、社会への深い怒りと抵抗の意志が埋め込まれている。

■ 制作の裏側

Electric Lady StudiosとShangri-La:『RTJ4』の録音はジミ・ヘンドリックスが設立したニューヨークのElectric Lady Studiosと、Rick Rubin所有のShangri-La(カリフォルニア州マリブ)で行われた。Electric Lady Studiosのアナログな温かみとEl-Pの冷徹な電子音が衝突することで、「クラシックな響き」と「未来的な破壊力」を同時に持つサウンドが生まれた。

DJ Premierとの「二重のメタ」:El-Pは「DWYCK」のGreg Niceボーカルをサンプリングし、さらにそのDWYCKのプロデューサーであるDJ Premierをアウトロのスクラッチに招いた。つまり、DJプレミアは「自分がかつてプロデュースした楽曲のボーカルフレーズが使われた別の曲の上でスクラッチする」という三重の入れ子構造を演じている。これはヒップホップの歴史的連続性を示す最も精巧な仕掛けのひとつ。

Little ShalimarとWilder Zoby兄弟:RTJの初期から深く関わる共同プロデューサー。元バンド「Chin Chin」のメンバーで、生楽器的な重厚なグルーヴをEl-Pの電子音に加えることで、単なるブーンバップ模倣を超えた独自の音像を作り上げた。

■ 評価とその後の影響

『RTJ4』の歴史的評価:Pitchfork、Rolling Stone、GQ等の主要メディアが2020年のベストアルバムに選出。「ooh la la」は特にブーンバップ復権の象徴として語られ、若いリスナーに1990年代NYヒップホップのDNAを伝える架け橋となった。

社会運動との連帯:Killer MikeはBLM運動が激化する中、ソーシャルメディアで積極的に発言し、後のジョージア州上院選(ラファエル・ウォーノックへの支持運動)にも関与した。Run The JewelsはNFLやNBAの選手がジャージの内側に「RTJ」と書くなど、スポーツ界からもリスペクトを受けた。

ブーンバップ復権のシンボル:2020年代のヒップホップシーンでは、トラップ一辺倒への反動としてサンプリングベースのブーンバップへの回帰が見られる。「ooh la la」はその先駆けとなり、Kendrick Lamarの『Mr. Morale & The Big Steppers』(2022年)やJPEGMAFIA等の作品が続いた。

Run The Jewels - RTJ4

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ooh la la / RTJ4

Run The Jewels

アーティストについて

Run The Jewels

New York / Atlanta · 2012–

El-P(Jamie Meline、ニューヨーク出身)とKiller Mike(Michael Render、アトランタ出身)による2人組スーパーデュオ。2012年に結成し、翌2013年にデビューアルバムを無料配信。以降全作品を無料配信するスタンスで知られる。El-Pの実験的・ディストピア的なビートとKiller Mikeの社会批評的なリリシズムが融合した独自スタイルを確立。2020年のBLM運動の文脈で発表した「RTJ4」が世界的に高く評価された。